YUMINOのひと - 医師 林 梨紗 -
今回の「YUMINOのひと」では、林梨紗医師を紹介します。林医師は循環器内科医として心血管カテーテル治療を中心とした急性期医療に携わった後、健診センターで勤務。2025年11月から当法人のゆみのハートクリニック 高田馬場で、医師としてのキャリアと子育てを両立しながら訪問診療を行っています。ライフステージの大きな変化を経験する中で、患者さんやご家族の「想い」により深く寄り添える医療とは何かを見つめ直し、在宅医療の道へ。インタビューでは、訪問診療に携わり始めて感じること、YUMINOでの働き方についてなど聞きました。

-医師を志したきっかけを教えて下さい
幼少期に通っていた小児科の先生への憧れから医師という職業に興味を持つようになりました。どんなに元気がなくても、その先生に会うだけで元気になってしまう、こんな風に人を元気にさせる仕事をしたいなと思い、医師を志すようになりました。もちろん医師である父の影響もあります。父は心臓血管外科医として忙しい毎日を送る傍ら、週末には色々な所に連れて行ってくれましたし、私の学校行事にも絶対に参加してくれました。医師として勤務する父の姿を見た記憶はあまりないのですが、どんなに激務でも私の前では疲れた顔を一切見せない、そんな父に憧れたことも医師を志したきっかけのひとつです。
-さまざまな専門科目がある中でなぜ循環器内科を選ばれたのでしょうか
初期研修先の入職後オリエンテーションでたまたまカテーテル室に行くことになったのですが、そこである女性医師がオペレーターとしてカテーテル治療を行っていました。多くの女性医師を大学でも見てきましたが、その先生が放つオーラに魅了されてしまいました。2年間の初期研修期間を経て、急性期医療に携わりたいという気持ちが常にあったため、循環器内科と救急科でかなり迷いましたが、どんな時も患者さんと真摯に向き合うその先生の下で働きたいという思いもあり、循環器内科を専攻しました。
-在宅医療の道に進もうと思われた理由を教えてください
やはり家族に大きな変化があったことが大きいですね。もともと私はカテーテル治療を極めていきたいと考えていたので、このままカテーテル治療を中心とした急性期医療に従事していくのだろうなと漠然と思っていました。ライフステージの変化があってもそこは変わらないだろうと。

写真:前職でのカテーテル治療の様子
しかし、人生は何が起こるか分からないというか。大きな変化の一つは、長女が『レット症候群』という指定難病と診断されたことでした。今も大変なことだらけですが、診断がつくまでは本当に大変でした。この病気は進行性の神経疾患なのですが、彼女は2歳を過ぎたころから言葉や手足の運動機能が失われてしまい、通っていた保育園も途中で退園することになり、毎日が手探りで先の見えないトンネルの中にいるような感覚でした。その時に支えてくださったのが、小児科クリニックの医師や看護師、訪問看護、PT/ST/OT、ソーシャルワーカーの方々でした。それと同じタイミングで祖父母が高齢のため在宅医療に移行することとなり、色々と難渋する姿を見ながら、私にしかできない患者さんへの寄り添い方ができるのは在宅医療の分野なのではないかと考えるようになりました。
-YUMINOに入職を決めた理由を教えてください
この数年間は、健診センターなどで子育てを中心とした働き方にシフトしていました。長女の病気が判り、もう自分は働くことは難しいのかもしれないと考えていたので、色々な方に助けていただきながら、医師として働けているだけで十分と当初は考えていました。そんな中でも循環器の仕事に携わりたいという気持ちはなかなか消えなくて。なんとかして循環器医として働く方法はないのかと探していた時に、たまたま日本循環器学会地方会での『循環器医それぞれの生き方・働き方』というセッション内でゆみのハートクリニック渋谷の谷野医師の発表をきいて、直感でここだ!!と思いました。在宅医療に携わるのは初めてで不安もありましたが、YUMINOの教育体制にとても感銘を受け、是非ここでもう一度、循環器医として修業させていただきたいと思い、入職させていただきました。
-仕事とプライベートの両立について
時短勤務を取り入れていただけているのが本当に助かっています。当初、このような働き方が出来ないか相談させていただいたときに、『できると思います、やってみましょう!!』と非常に前向きな返答を頂けたことが本当にありがたかったです。院長をはじめ、他の先生方からかけて頂いたお言葉やサポートが心強く、この先も大変な事はたくさんあると思いますがやっていけると感じています。
-訪問診療の醍醐味や、やりがいについて教えてください
外来だと2-3カ月に一度の受診かつ限られた時間の中で患者さんの状態を把握しなければいけません。その方の背景にじっくり耳を傾ける時間もなく、病気のことを聴取するだけでいっぱいいっぱいでした。訪問診療でご自宅にお邪魔させていただくことで、病気の話だけでなく、ご家族のことやご自身の趣味のことなど、患者さんが外来よりもリラックスした状態でお話しして下さるという事が、診療においてとてもプラスになっていると感じます。

-訪問診療を行う中で難しいと感じる点を教えてください
患者さんが住み慣れた場所でその人らしい生活を送っていただけるよう医師としてサポートできる事は何か。まだまだ経験が浅いため、迷いや戸惑いを感じることもあります。特にご本人とご家族の間で意見の相違がある時、皆が納得する形に持っていくことがいかに難しいか、痛感することがあります。
-クリニックの雰囲気について教えてください
働き始めてすぐにチームとしての一体感を感じました。何か問題が生じたら個人で解決するのではなく、皆で解決方法を考えていこうという雰囲気がとても素敵だなと思いましたし、皆さんが相談しやすい雰囲気を作ってくださることで、症例に関して一人で悩むという事がありません。医師・コメディカル問わず、優秀な方々ばかりなので、こんな考え方があるのか、と毎日勉強になっています。

-先生はとてもパワフルで明るい印象がありますが、その源は?
「笑顔でいれば、なんとかなる」と思っています。つらい時があっても、いつか光は見えるし、助けてくれる人は必ずいます。だからこそ、自分は、誰かがつらい時に支えられる存在でありたいと思っています。そうした考え方は、子どもから学びました。
娘は、できないことが増えたり、いろいろな困難があっても、懸命に生きていて、その笑顔に何度も励まされています。あの笑顔を見ていると、前を向いていこうと思えるんです。
だからこそ、笑顔でいることを大切にしながら、一緒に働く仲間にも、患者さんにとっても安心してもらえる存在になりたいと考えております。

-今後の展望を教えてください
働き始めてまだ数カ月ですが、多くの方々に支えていただき、とても充実した毎日を過ごしております。もっと早くYUMINOで働けばよかったなと思うこともありましたが、この数年間の多くの試練は医師としてだけでなく、人として大きく成長できた時間でしたので、このタイミングでYUMINOに出会えてよかったと感じています。家族の気持ちや介護の大変さが分かるからこそ、私にしかできない患者さんへの寄り添い方とは何なのか、訪問診療の現場を通じて学んでまいりたいと思っています。
*番外編*
-好きなこと、趣味を教えて下さい
旅行が大好きで、ちょっとした休みが出来ると家族ですぐ旅にでます。寒さに耐えられず、南方面にばかり行っています。冬はだいぶさぼり気味ですが、体を動かす事が好きなので、隙間時間でランニングをしたりしています。

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