YUMINOのひと - 医師 藤井 昭 -
2026年1月、愛媛県松山市に開院する「ひなたハートクリニック」。
院長を務めるのは、愛媛県で生まれ育ち、循環器内科医として国内外で経験を積み重ねてきた藤井昭(ふじい あきら)医師です。温かく穏やかな人柄で、多くの患者さんやスタッフから信頼を集める藤井医師に、これまでの歩みとともに、「ひなたハートクリニック」に込めた想いを聞きました。

-ご出身地について教えてください
- 古くから「伊予の国」と呼ばれた出身地である愛媛県は、東西に長く広がり、中央には松山市がある中予(ちゅうよ)、その東側に東予(とうよ)、南部に南予(なんよ)と区分されています。私は南予に位置する宇和島市でうまれ、中学校から松山市で育ちました。松山市は、年間を通じて温暖で晴れの日が多く、降水量も比較的少なめであり、台風や地震といった自然災害のリスクも少ない地域とされています。また、日本最古といわれる道後温泉、現存12天守の一つである松山城といった歴史的・文化的な資源が豊富なことで知られています。
-経歴を教えてください
- 愛媛大学医学部を卒業後、愛媛大学第2内科に入局。1年間の研修後、国立病院機構愛媛病院(現愛媛医療センター)に勤務しました。そのころの愛媛県では、不整脈に対するカテーテル治療を行う病院がなく、患者さんは岡山大学まで受診しなければいけない環境でした。治療技術を習得するため、日本有数の症例を誇る神奈川県の横須賀共済病院に国内留学をし、その後アメリカ・ハーバード大学への留学をへて、愛媛大学病院にて不整脈を中心に重症心不全の急性期治療に従事していました。
訪問診療を勉強したいと考え、2020年からちょうどコロナ禍のなかで大阪 のぞみハートクリニックで常勤として1年間勉強させていただき、一度愛媛県松山市に戻り、星の岡心臓血管クリニックで勤務しておりましたが、2024年から再度、のぞみハートクリニックの非常勤として入職しました。

写真:大学院生時代 メンターと一緒に
-医師を志したきっかけは?
- 志はまったくないきっかけですが、おばあちゃん子で、祖母から医師になるよう子供のころから勧められてきた結果です。よく困っている人を助けてあげてと言っていました。
-様々な専門分野がある中でなぜ循環器内科を選ばれたのでしょうか。また、その中で不整脈の専門を目指した理由を教えてください。
- もともとは"総合内科"、今でいうジェネラリストになりたかったので、内科に進むことは決めていました。総合的に患者さんを診るために最初は循環器を勉強したほうがいいと感じて、循環器を専攻している2内科に入局しました。臨床のなかで循環器を勉強していくと、不整脈領域に進み、国内留学、その後は海外留学を経験しました。
-海外留学では、名門ハーバード大学で学ばれたのですよね。
- はい、ありがたいことにご縁があり、学ぶ機会をいただきました。以前、一緒に仕事をした同僚がハーバード大学を紹介してくれて、留学につながりました。人生はわからないですね。学ぶ環境は、やはり世界に有数の施設だけあって、そろっていました。
主に臨床研究をしていてカテーテル室で働いていたのですが、動物実験をするカテーテル室もありました。循環器の朝カンファレンスにでると、教科書でみたことがある循環器の有名な先生が隣に座っていて驚きました。
人材も世界中から集まっていて、同僚にはオーストラリア、スイス、ドイツ、カナダ、インド、スペインなどなど。愛媛の島国から出てきた私にとっては世界が広がりました。

写真:留学中、同僚とレッドソックスの試合を観戦したときの一枚。
-在宅医療の道に進もうと思ったきっかけを教えてください。
- 最初のきっかけは大学勤務時代に担当していた拡張型心筋症の女性が愛媛県で最初に体外式人工心臓を装着した時のことです。その方は大学から車で1時間程離れた今治という地域にある島に住まれていた方ですが、自宅に帰ることができませんでした。
住み慣れた自宅にもどりたい、いつもの生活がしたいという気持ちにこたえてあげられない自分に、病院で勤務する医者としての限界を感じていました。
そのなかで医者の道を導いてくれた祖母が心不全で入院して強心剤が外せなくなり、自宅に戻れなかったことが在宅医療の道に進む後押しになりました。

-YUMINOに入職されたきっかけを教えてください。
- 松山で弓野大先生の講演をきいたことです。病院にとどまらず、患者さんの生活の場で医療を届けていることに魅力を感じ、翌日には見学にいくことを決めて、連絡をしました。
そして、見学に行った際、在宅酸素を使用されている患者さんの訪問に同行しました。その方は、急な階段を上ったアパートの2階でお一人暮らしをされており、外出が難しいことから、ほとんどご自宅の中で過ごされていました。そのような生活がどのようなものなのか、当初の私には想像がつきませんでした。しかし実際にお会いすると、YUMINOのスタッフや地域の医療者に支えられながら、その方らしい穏やかな日々を送られている様子がとても印象に残りました。
その人らしい生活を、多職種・地域で連携し、チームで支えている様子に感銘を受けました。そして、このような医療のかたちに深く共感し、その可能性を自らの手で追求してみたいと思い、門をたたきました。
-2026年1月に「ひなたハートクリニック」が開院となりますが、どのようなクリニックを目指していきたいですか?
- 地域ごとに異なる課題にしっかりと向き合いながら、一人ひとりの患者さんの生活に寄り添う医療を提供していきたいと考えています。
また、「ここまでが限界」と決めつけることなく、どのような状況であっても、その方の可能性を信じ、真摯に向き合っていきたいと思っています。そして、私自身を含めスタッフが一人で抱え込みすぎることなく、地域の皆さんや多職種の仲間と協力しながら、支え合い、歩んでいける。そんな、温かく、チームの力を感じられるクリニックを目指してまいります。
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当法人では、医師の採用を行っております。
詳細は採用HPをご覧ください。
https://www.yumino-medical.com/recruit/jobs/doctor.html





