病院から住み慣れた我が家へー患者さんの「食べる喜び」をチームで支える、私たちの訪問リハビリ
■生活の場で「食べる喜び」を再発見する
当法人の訪問リハビリテーション部門に所属するST(言語聴覚士)が、先日開催された「日本言語聴覚士学会」にて症例報告を行いました。
報告内容: 「反回神経麻痺およびForestier病による嚥下障害が訪問STの介入によって改善を認めた1例」 ※個人情報の保護に配慮し、内容は適切に匿名化して紹介しております。
この報告は、病院では「口から食べることは難しい」と判断された患者さんが、退院後の生活の中で、再び「その人らしい食事」を取り戻された大切なエピソードです。
病院のような整った環境とは異なり、ご自宅でのリハビリは、患者さんの実際の生活空間そのものが
リハビリの場になります。「どうしてもこれを食べたい」「自分らしくありたい」という想いにまず寄り添うところから始まります。
そして自宅の環境や介護するご家族の状況に合わせて、最初から100点満点を目指すのではなく、「どのようにしたらその想いに近づくことができるか」という視点で、姿勢・環境・食形態を試行錯誤しながら細やかに調整を繰り返します。その積み重ねの結果、最終的に再び普通食を楽しめるまでになりました。私たちは、疾患だけを見るのではなく、自宅で生活をする意味や、患者さんの「その人らしい人生」を支える専門家でありたいと考えています。
■多様な疾患背景に応える、専門職としての視点
当法人の訪問STは、循環器疾患だけでなく、幅広い背景を持つ患者さんに対し、以下のような
個別性の高いアプローチを行っています。
摂食嚥下機能への支援:安全においしく食べるための環境調整
言語機能訓練:想いを伝えるためのコミュニケーション支援
高次脳機能障害へのアプローチ:生活の中での困りごとへの工夫
■地域や多職種とともに考える、2月のセミナー開催
私たちは日々の臨床だけでなく、地域全体のケアの質を高めるための活動も大切にしています。
2月には、多職種で共に学ぶセミナーの開催を予定しております。

テーマ: 「ともに考えよう STができる『その人らしい食支援』」
日時: 2月20日(金)18:30〜20:00
開催形式: ハイブリッド(新大阪会場/Zoomオンライン)
栄養士の視点からの助言も交え、経済状況に依存しないメニューや栄養確保の工夫など、在宅での悩みを一緒に解決していく内容です。地域住民の皆さまや専門職の方々と「ともに考える」場にしたいと考えています。 ぜひご参加ください。
訪問リハビリテーション部
井谷





